まんなかで・・・

サラサラと流れる川のごとく中庸で生きていけたらいいですね

究極の痛みだったけど、今となれば懐かしい

以前の記事で、私にとっての「究極の断捨離」の話をしましたが

今回は「究極の痛み」を体験したことの話です。

それも精神的な痛みではなく、思い出したくもない肉体的な痛みの記憶です。

 

というと、耳を塞ぎたくなる(目を覆いたくなる?)方が

いらっしゃるかもしれませんね(笑)

 

ちょうど高校一年生の夏休みが終わり、二学期が始まったばかりのある朝

何となくお腹の調子が悪くて病院に行ってみました。

痛みらしい痛みはなかったので、大したことはないだろう

そう呑気に構えていたのに、診断は「虫垂炎」←(盲腸)

ってことで、その日に手術をすることとなりました。

 

慌てて入院の準備をしている母をよそ目に

私は友人に簡単な手紙を書くことにしました。

『私、盲腸になったから今から手術なんだけど、全然痛くないし

本当に手術して大丈夫かなあ、怖いんだけど・・・』

今だったらLINEですむことかもしれませんが

当時は頻繁に手紙を書いていました。

 

部分麻酔なので意識ははっきりしたまま、手術が始まりました。

先生や看護師さんたちの動きも分かりますし

メスが入る瞬間も、さすがに痛みはないものの

何となく、皮膚を切ってるな、という感触は分かります。

 

「虫垂炎」の手術はそんなに長くはかからないと聞いていたので

間もなく終わりだろうと思っている頃

急に、手術室内の様子が変わってきました。

 

何だかバタバタしてきた感じがするのです。

それと同時に気のせいか痛みを感じるようになってきて

いえ気のせいではなく、痛みはどんどん強くなる一方です。

 

『痛い!痛い!痛ーい!!!』

あまりの痛さに私は声を出して叫びました。

私の虫垂炎は予想を超えて、かなりの重症だったらしく

時間がかかり過ぎて、麻酔が切れてしまったようなのです。

(何故に追加の麻酔が出来なかったのかは

未だによく理解出来ていません)

 

 

恥も外聞もなく涙を流しながら、私は泣き叫びました!

看護師さんは暴れる私の腕を押さえつけていたのですが

麻酔が効かない状態で最後に皮膚が縫われていくのも分かりました。

看護師さんたちは、「もうすぐ終わるからね」と励ましてくれて

私は最後はもう泣くのにも疲れてはて、グッタリとなっていました。

 

この麻酔が切れた状態で、後半の手術を受けたときの痛みが

先に書いた「究極の痛み」というわけです。

 

あまりに痛い思いをしたので、術後は天国のように

幸せいっぱいの気持ちになることが出来ました。

そんな私を看護師さんがヒョイとお姫様抱っこをして

部屋のベッドまで連れて行ってくれました。

 

手術室の外で待っていた私の母は

生きた心地がしなかったことでしょうけどね。

 

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その後の痛みはまったくなかった、と書きたいのですが

実は、ほんの少しばかり痛い思いをすることになります。

 

 

入院中に夏目漱石の「吾輩は猫である」を読み始めました。

漱石の本を読むのはこの本が初めてでしたが

文章の面白さにグイグイ引き込まれました。

 

そして表現力のユニークさに、つい噴き出してしまうと

ちょっぴり患部に痛みが走ります。

「イタタ・・!」と仕方なく本を閉じる、落ち着いてから再度読み出す

又々、思わず笑ってしまう、痛みが走る、本を閉じるの繰り返しで

早く読みたいのに、読めない、思いっきり笑いたいのに、笑えない

という悔しい思いをしました。

 

 

15歳だった私が読むには難しい漢字や文章も多かったのに

あれだけ笑えるなんて、漱石氏のユーモアの才は

際立ったものがあったのでしょうね。

 

ここまで書いて、ふと思いました。あんなに可笑しいと感じたのは

ただ私が『箸が転んでもおかしい年頃』だったからなのかも?

その後も何度か「吾輩は・・・」を読みましたが

クスッと笑えることはあっても、噴き出すことはなかったので・・・

 

まあ、どちらにせよ退屈な入院生活にはならずに済んだことは確かです。

さて、入院生活が少しだけ長くなったことで

初めての文化祭が体験できなくなり、とても残念な思いをしました。

 

文化祭で我がクラスは、その当時人気のホームドラマ

『時間ですよ』(おかみさ~ん、時間ですよー、の掛け声で有名な)

のパロディを舞台で演じることになっていたからです。

ああ!きっとみんなが大声で笑ったんだろうな、観たかったなあ

高校生になって初めての文化祭だったのになあ、と

それだけが心残りでした。

 

きっと今だったら、その舞台を録画してYou Tubeで観る

そんなことも出来たのでしょうけど。

 

若い方は不便な時代に感じられるかもしれませんが

アナログ時代のゆっくりとした穏やかな時の流れは

今となっては二度と体験できない貴重なものでした。

 

 

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